【内部統制ラボ #031】不正の分類とJ-SOXへの影響
このポッドキャストでは、上場企業でJ-SOX評価業務や内部監査業務に携わる方を対象に、内部統制・内部監査・J-SOXの実務に役立つコンテンツをお届けしています。
今回は、前回に引き続き「広義の内部統制の不備とJ-SOX評価での取り扱い」をテーマに、不正の分類とJ-SOXへの影響について解説します。
今回の主な内容
- 公認不正検査士の不正検査マニュアルにおける不正の3分類
- 財務諸表監査における「不正」の考え方
- 不正が発生した場合のJ-SOX上の取り扱い
- 財務諸表に影響しない不正とJ-SOX評価の関係
不正の分類とJ-SOXへの影響
「不正」と一口にいっても、その範囲は広く、定義する主体や制度の目的によって対象となる行為は異なります。
公認不正検査士の不正検査マニュアルでは、職業上の不正を「汚職」「資産の不正流用」「財務諸表不正」の3つに分類しています。
汚職には、キックバックや利益相反、不正な謝礼などが含まれます。資産の不正流用には、現金横領、架空請求、個人的支出の経費精算、在庫の盗難などがあります。また、財務諸表不正には、架空売上、収益計上時期の前倒し、引当金の未計上、不良資産の評価操作などが含まれます。
一方、公認会計士による財務諸表監査では、財務諸表の誤りを「不正」と「誤謬」に分け、不正についてはさらに「不正な財務報告」と「資産の流用」に分類します。
財務諸表監査は、その目的から、広い意味での不正のすべてではなく、財務諸表に影響を及ぼし得るものを主な対象としています。
この考え方は、J-SOXにおける不備の取り扱いを考えるうえでも重要です。
J-SOXにおいて不備となるのは、基本的には財務諸表に影響を及ぼし得る内部統制上の問題です。そのため、汚職やコンプライアンス違反が発生した場合でも、財務諸表の数値に影響しないのであれば、J-SOX上の不備としては扱わないケースがあります。
これに対して、資産の不正流用や財務諸表不正については、財務諸表に影響を及ぼす可能性があるため、J-SOX上の不備として取り扱うことが考えられます。
特に現預金の横領などは、通常のJ-SOX評価範囲に含まれていないことも多く、横領などの不正が発覚した後に、あらためてJ-SOX上の取り扱いを検討するというケースもあります。
今回は、不正の分類と、それぞれをJ-SOX評価の観点からどのように考えるのかについて、Podcastで詳しく解説しています。
上記のプレーヤーからお聴きいただけます。
次回について
次回は、「広義の不備が発覚した場合の対応」について解説します。

